「すいません、ビデオに撮影させてもらっても、いいでしょうか?」
いつもの朝んぽルートを、相棒(ハスキー犬)とウォーキングしていた時の出来事です。池のある大きな公園内で声をかけられました。
私よりもかなりご年配に見えるその男性、手にはビデオカメラをお持ちです。
朝のウォーキングが始まって1年半。これまでに随分と色々な人に声をかけてもらいましたが、ビデオ撮影というのは初めてです。
思わぬことに多分私、一瞬キョトンとしたのだと思います。
「犬の名前を覚えるために、ビデオを撮らせてもらっています。これまでに60頭ほど、撮らせてもらいました。」
そういうことなら、もちろんOKです♪
〇 ボケ(フレイル)予防策にビデオ撮影
相棒の名前を呼びながらビデオ撮影するその男性、なんだかとても楽しそうです。撮影に戸惑う様子は全くありませんでしたので、随分と慣れているようです。
話をしてみると、「名前を覚えることがボケ防止になる」と考えて、始めたことなのだそうです。確かに録画しておけば、何度でも見直すことができますので便利ですよね。
いつも同じ時間帯に同じルートを犬と散歩をしていると、多くのワンちゃん達と顔見知りになるのですが、実は私も、たくさんいる柴犬の名前を覚えることができなくて、あきらめてしまいました。
このご年配も、全く同じだったようで、そこからしばしの立ち話ですw。
ところで「ボケ」という言葉ですが、公では今はあまり使わないようで「フレイル」という言葉を充てているのは、ご存じでしたか?
フレイルとは、「健常」な状態と「介護が必要な状態」の間の「年齢に伴って心身が弱っていく状態」を指す言葉のようです。なので「ボケ予防」というよりは「フレイル予防」というのが、今風の表現になるようです(長寿科学振興財団のフレイル診断が参考になると思います)。
私の父は認知症を患い、要介護4の認定を受ける段階まで進行してしまいました。フレイルという概念が広がり始めたのは、ほんの数年前のようで、残念ながら「予防する」という意識がまだなかった頃でした。
でもこのご年配のように、早朝にビデオを持って公園まで出かけて撮影をしたり、以前に出会ったワンちゃん達に声をかけるというのは、最高のフレイル予防になるのではと思うワケです。
ビデオ撮影後にも何度かお会いしていますが、とても嬉しそうに相棒の名前を呼んでいただいて、声をかけられる相棒のほうも大喜びです。
こういうことは、楽しいが一番ですよね?
〇 人の名前が思い出せなくても心配しなくてOK
話は飛びますが、会話の途中で人の名前を思い出せなくて焦ることって、私の年代に近いなら、ありますよね?
以前はそんなことなかったのに、年齢を重ねるにつれて増えてくるようで「これは認知症の始まりじゃないか?」と心配にもなります。
でもそれ、『50歳からの脳のトリセツ』(和田秀樹著 PHPビジネス新書)によると、心配することではないのだそうです。
著者の和田先生によると、年齢を重ねると蓄積されている情報量が多くなっているワケだから、それを引き出しにくくなっているだけのことで、むしろ当たり前のことなのだそうな。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので控えますが、好きなことに「自分で考えて(←ここが重要)」取り組むことが、脳の衰えを防ぐことにつながようで、逆に危ないのは、「前例踏襲、みんなと同じで怖くない」的になってしまうことのようです。
私の場合は、こうして文章を書いて発信すること、相棒との朝んぽ、そして食事も含めて自分のことは自分でやることが、フレイル予防になっていると思っています。
体力・脳力的にどこかで限界が来るのでしょうが、「みんなそうだからという年齢相応イメージ」にだけは引き込まれないようにと、特に意識しているつもりです。
〇 重要なのは、最初の小さな一歩!
最近は、「終活」という言葉が随分と広まっているようで、自分の老後への「心の準備」を含めて、考える機会が増えているようです。
でも、考えるだけでは何も始まりません。
思うに、ビデオ撮影のご年配、「撮影させてもらえないか?」と最初のひとりに声をかけた時って、結構な勇気が必要だったのではないでしょうか?
だって、同じようなことをしている人、周囲にいませんから…。
もしかすると最初のひとり目は、朝の散歩でいつも顔をあわせるお知り合いだったかも知れませんが、そうであったにしてもです。
そうした勇気が必要な時というのは、「これまでと同じようにい続けたい」という自分の内側の声に意義を唱えて、行動に移す時なのです。
というワケで、ビデオ撮影は始めるに至った経緯を、機会があればお伺いしてみようと思っている今日この頃です。
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