便利さの裏側に隠れている電力消費とストレスの解消

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ライトアップされた火力発電所の夜景にUFOのイラストが入った画像

 「目に飛び込んでくることは表面的なことに過ぎない」

 私は何かにつけ、そのようなものの見方をするよう気を付けています。常にそれができていると胸を張れるワケではありませんが、大きなニュースや流行りの話題などを目にした時は、それだけで自分本位な白黒をつけないよう意識するようにしています。

 英語には、”There’s more than meets the eye.” という慣用表現がありますが、このフレーズは、表面上の出来事や情報にとらわれることなく、その背後にある真実や深い意味を考えることの大切さを端的に教えてくれる表現だと思います。

 今日は、そんな話題のひとつをお届けします。

便利すぎて驚いたフリマアプリ

 実は最近、フリマアプリにデビューしました。

 実家の片付けをコツコツと進めているのですが、捨てるのはもったいないと思うものも多く、また、そろそろ自分の終活も意識しておこうということで、不用品を出品してみたワケです。

 で、そのフリマアプリなのですが、これがとても便利にできているワケです。スマホ一発で、出品から発送手続きまで出来てしまうのは勿論のことなのですが、考えもしなかった便利機能が豊富に盛り込まれています。

裏ではAIが働いている?

 まず驚いたのは、スマホで出品する商品の写真を撮り説明書きを入力すると、なんと販売価格の提案をしてくれるのです。

 どうやら画像認識のAIが働いているようです。過去に同一の商品が出品されていると、瞬時に同じものと分かってしまうのですね。なので、フリマ内での過去の出品・取引データをもとに価格の提案ができるというワケです。Google Lens を使って同じものを探してみるまでもありません(笑)。

 逆に、「こんなのあるかな?」と思いつくものを検索してみると、出て来る出て来る!

 で、検索した際に用いたキーワードを保存しておくこともできて、そのキーワードに引っ掛かる新たな出品があると気づきやすいようにもなっています。

 フリマアプリは、オモシロイと以前から耳にしてはいましたが、実際に使ってみてその威力を知ることとなりました。

便利さをもたらしてくれた仕組みとは

 ここで少しだけ技術的な話をしておきたいのですが、フリマアプリに組み込まれている便利さは、実は、手元のスマホ(あるいはパソコンの場合も同じ)が、仕事をしているワケではありません。

 フリマに表示されている写真や説明書きは、インターネットを通じて接続されている強力なコンピュータ(これがクラウドです)に保存されていて、瞬時に「販売価格はこのあたりでしょう」と提案してくれているのも、そのコンピュータが行っています。

 つまり、みなさんの手元にあるスマホやパソコンは、クラウドと通信して向こうから送られてくるデータを表示しているだけなのです。

 フリマアプリだけではありません。これは便利というサービスがネット上では次々と登場していると思いますが、その便利さをもたらしてくれている根っこにあるのが、こうしたクラウドによるサービス提供の仕組みです。

 余談になりますが、こうしたサービスはスマホから使っている分にはわかり易いのですが、パソコンから使おうとすると、以前のパソコンの使い方に慣れている方の場合には、逆に使いにくいということもあるようです。そのあたりのことは、別のブログ記事『パソコンの使い方に隠れた世代間格差とは』をご参照下さい。

便利さに隠れたコストの話

 さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

 「実はそのフリマアプリは、莫大な電気を消費しています」と言われたら、みなさんは、どう思いますか?「まさか!スマホの電気代なんてたかが知れているでしょ!」と思いますよね。

 確かに手元のスマホや(あるいはパソコンであっても)、使っている消費電力はそう大きなことではありません。なぜって、便利さの提供といいう意味で、ほとんど仕事らしい仕事(データの処理)をしていないワケですから。

 仕事をしているのは、ほとんどがクラウド側なのです。すると?クラウド側での電力消費は、どうなっているのでしょう?

 それが、半端な電力量ではないようなのです。

 私たちが感覚的に知っている電気の使い方って、それで電車や機械を動かしたりランプを灯したりといったエネルギーとして消費しているイメージですよね?

 では、クラウドを構築しているコンピュータに供給される電力は、「何のエネルギー源」になっているかというと?

 答えは「熱」。コンピュータは、物を動かしたりするワケではありませんから、投入された電力のほとんどは熱になるしかありません。

 すると何が起きるかというと、「それをどうやって冷やそうか」というハナシになってきます。デスクトップパソコンをお使いの方であれば、その中では冷却ファンが働いているのをご存じだと思います。

 コンピュータは、仕事をすればするほど熱を発生するようになっていますから、スマホを通して同時多発的に多くの人から仕事を依頼されるクラウドの場合、コンピュータを冷やすために莫大な電力を消費しているワケです。

便利アプリの「見えない背負いもの

 先日、「発電所向けの産業用モーターを製造している会社の好決算が続いている」というニュースを見かけましたが、クラウドによる利便性の提供が、見えないところで(←ここが重要)電力需要を押し上げる理由のひとつになっていることは、間違いなさそうです(ツイートの記事)。

 このことが、便利さと対になって起きている、いわば「見えない背負いもの」だったワケですね。

 あ、でも誤解しないで下さい。電力を大きく消費しているから、使うのを止めましょうと言いたいワケでは全くありません。

 私自身はむしろ積極的に役立てる派で、自分にできることといえば「無目的にだらだらと無駄遣いすることはやめよう」という程度です。この問題に対して直接的に何をどうこうできる立場にはありませんので、割り切っています。

 参考までに、発熱の問題について知ったのは、たまたま手にした本『グーグルが消える日』(ジョージ・ギルダー著 SBクリエイティブ刊)に、Googleのデータセンターに関する話が出てきたときのことでした。

「見えない背負いものを想像すると楽になる」の法則

 さて、この投稿ではフリマアプリを例にしましたが、「見えない背負いものを知ろうとする」ことは、私たちが直面するさまざまな状況や問題に対して、より広い視野で物事を捉える手助けになります。

 そしてこの法則は、ストレスの解消にも有効です。

 私たちが日常や仕事で直面する困難やストレスに対しては、問題の表面だけを見て判断してしまいがちです。でも、その表面に見えていることと対をなしているはずの「見えない背負い物」にも目を向けることで、随分と気持ち的に余裕が出て来るものなのです。

 身近な例を挙げれば、例えば運転中に割り込みをされたとき。イラっと来ますよね?

 でもそんな時は、例えば「(運転している人の)母親が危篤なのかな?」と考えるようにします。重要なのは、この考えが当たっているかどうかは、関係ないということです。むしろ外れている場合がほとんどでしょうが、「イラっとした気持ち」は、少なからず落ち着くものです。

 というワケで、この法則を実践するために必要なことは、見えていないことに対するちょっとした想像力ということになると思います。あとは慣れるだけです。

 「見えない背負いものは何か?」という問いを習慣化することで、思考が柔軟になり、ひいては人間関係にも好影響を与えてくれます。誰かの言葉や行動にカチンと来たような時には、是非とも試してみて下さいね。

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